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漢方一般

  • 2024年3月31日
  • 2024年3月31日

桂枝湯1

桂枝湯証について 桂枝湯証として以下の三症状が挙げられます。症状が一つだけ見られる場合には、それだけで桂枝湯証とは言えませんが、三つ同時に見られる場合には桂枝湯証と診断できる可能性が高まります。その三つとは、①自汗、悪風、発熱あるいは熱感、②上衝感、動悸、筋肉の痙攣や拘急、③脈は浮・虚・緩・数あるい […]

  • 2024年3月7日
  • 2024年3月31日

桂枝について2

桂枝体質とは 桂枝の証や、桂枝類方の方証が見られやすい体質の特徴として以下のものが挙げられます。 外観:痩せ気味で色白で、皮膚のきめが細かい傾向にあるります。皮膚は湿潤し、筋肉は硬く、腹部は平坦で腹壁は緊張しています。目に輝きがあり、唇は淡紅か暗です。脈象は浮大で軽く触れてもすぐに応じられます。舌質 […]

  • 2024年2月25日

桂枝について1

桂枝の性味と効能 桂枝は多くの方剤に用いられ、「傷寒論」の中で113方剤のうち44方剤に含まれています。その作用機序は複雑で適応範囲は大変広く、現代医学における単一の病態や病名で表すことは困難です。その味は「辛」で、辛味は発散の働きがあり、発汗によって表邪を発散して解するとされています。まず、①散寒 […]

  • 2021年9月23日

肺化膿症の治療はむずかしい

肺化膿症の初期の状態に大柴胡湯加桔梗石膏 足守侯の留守居役である清水甫助の妻が、病気のため宗伯先生の治療を求めてきました。咳嗽と悪臭のする痰があり、咳をすると脇下まで疼痛があります。寒気と発熱を繰り返し、食欲がないので大柴胡湯加桔梗石膏を処方されました。2,3日で熱は下がったものの悪臭のする痰は治り […]

  • 2021年9月5日
  • 2021年9月20日

発熱、心窩部痛、嘔吐下痢に温補剤

痔疾にお灸した後の発熱、鼻血、心窩部痛、嘔吐下痢 龍土組屋敷の太田生の娘は長らく痔疾を患っていました。脱肛が治らず、数十壮お灸をしたところ、発熱、鼻血を認め、心下痞鞕して嘔吐下痢をするようになりました。ある医者が寒涼剤を用いて治療したところ症状が悪化しましたが、宗伯先生が理中湯を処方して軽快しました […]

  • 2021年8月9日
  • 2021年9月20日

寒邪水滞による胸背部痛

寒壁痰に千金半夏湯 田中老侯の妾で染井という者が、長年にわたって寒邪水飲による胸脇間の緊張がありました。胸や背中が痛みが走り、息切れがして、身体が重く、食べ物の味がしません。多くの医師の治療を受けましたが効果はみられませんでした。浅田宗伯先生が千金半夏湯を処方したところ意外に効果がありました。長年の […]

  • 2021年7月22日
  • 2021年9月20日

貧血にともなう動悸やめまい

出産後に脇が張って動悸めまいがするものに鍼砂湯 桜田街の半次郎の妻が6月に出産した後、胸から脇腹がつかえて苦しくなり、心窩部に動悸があり、激しい時には身体がふらふらして揺れるように感じるようになっています。浅田宗伯先生が診察して、原南陽の鍼砂湯を処方しました。服用して数日間で、夏の終わりから冬の中ほ […]

  • 2021年7月16日
  • 2021年9月20日

感冒症状としての筋肉痛

感冒後に右下肢がひきつり痛む 広尾の幕臣、辻氏の妻が感冒になり、解熱後右下肢がひきつり、腫れて痛み歩行することができなくなりました。脈は浮数、すなわち浮いて頻回です。解熱しても脈が浮数なのは感冒の邪気が下肢の方に入ってしまい、経脈で血や気の巡りができないためです。そこで「金匱要略」の続命湯を処方し4 […]

  • 2021年7月12日
  • 2021年9月15日

麻疹は周期的に流行

天保の麻疹には石膏が著効した 笄橋の道具係の真野幸次郎の妻が9月23日出産しましたが分娩や胎児に特に問題はありませんでした。同26日の夜になって、突然発熱し、咳嗽が著明で、口が苦く喉が乾きましたが舌の苔は白色でした。浅田宗伯先生は、「これは血熱ではなく、おそらく麻疹に感染した」と考え葛根湯加桔梗石膏 […]

  • 2021年7月4日
  • 2021年9月13日

麻疹の重症例

下剤で良くなったケース 南部侯の厩舎に勤める高瀬某の娘の例です。発疹がみられたものの一日で一旦あとかたなく治りました。その後心下痞鞕し、眼球固定して視線が合わなくなり、喘鳴もみられるようになり重症化しています。脈は洪数ですぐに悶え苦しんだあと気絶して死んだようになり、両親もただ抱き合って泣くばかりと […]