ツイミーグ(イメグリミン):ミトコンドリア機能を改善する画期的な糖尿病薬

2021.6.23 加筆修正しました。

ファーストインクラスと期待される糖尿病薬

Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
今日は新しい糖尿病薬のお話をしましょう!
新しい薬?リベルサス?
Mossan
Mossan
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
いえ、おそらく近い将来使用できるようになる糖尿病薬です。ファースト・イン・クラスの薬剤と期待されています。
ファーストクラス?

一度は乗ってみたいなあ。

空のうえで高級ジャーキー食べてみたい…

Mossan
Mossan
まる
まる
犬が乗れるわけないでしょ笑
犬をバカにするな!
Mossan
Mossan
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
ファーストインクラスとは、新しい作用機序を持つ画期的な医薬品のことを指します。

ミトコンドリアはエネルギー産生工場

Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
ミトコンドリアをご存じでしょうか?
奥歯に絡みつくので嫌いです。
Mossan
Mossan
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
ああ、イトコンですか?
先に進めますね。
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
ミトコンドリアの働きを一言で説明すると、「エネルギーを作る工場」でしょうか。

ミトコンドリアは細胞内小器官のひとつであり、生体の活動に不可欠なエネルギーをATP産生という形で生み出す器官です。

ミトコンドリア機能は糖尿病発症や悪化に深くかかわっている。

さて、ミトコンドリア糖尿病についてご存じでしょうか?

先天的なミトコンドリアDNA変異によりミトコンドリア機能が低下することにより、膵β細胞からのインスリン分泌能が低下して、糖尿病が発症する病気です。

ミトコンドリアの働きが悪くなると、体からインスリンを分泌できなくなるってこと?
Mossan
Mossan
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
まさにそのとおりです。

さらに、ミトコンドリア糖尿病だけでなく、2型糖尿病患者さんでもミトコンドリア機能が低下していることが知られています。

イメグリミン(ツイミーグ)は、ミトコンドリア機能を改善し、膵β細胞を保護する薬剤である。

このミトコンドリア機能を改善することで効果を発揮するのがイメグリミンです。

イメグリミンは、ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰを部分的に阻害して、酸化ストレスを減らし細胞死を減らす作用があります。

どんな作用があるの?
Mossan
Mossan
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
モッさん、頑張ってついてきてくださいよ!

現在わかっている作用としては、以下のものがあります。

①GSIS(glucose-stimulated insulin secretion)の増強

β細胞内のNADプールを増加させて、グルコース応答性にインスリンを分泌させる作用があります。

このため、クランプ試験などでは、低血糖時にはインスリンを分泌させないことが報告されています。(低血糖のリスクが極めて少ない薬剤ということですね)

②インスリ感受性の改善

 現在わかっている作用としては、肝臓における糖新生を抑制すること、筋肉や骨格筋でのインスリンシグナルを改善することで、インスリンの効きをよくします

また、グルコースクランプや動物実験などで、インスリン感受性指標の改善が報告されています。

③膵β細胞機能の改善および、(おそらく)保護作用

ミトコンドリア機能を改善させることにより、ROS(活性酸素種)を抑え、膵β細胞死へのストレスを減らし細胞死を抑制してβ細胞を守る働きが期待されています。

また、イメグリミン投与により、膵β細胞機能の指標とされているHOMA-β上昇およびプロインスリン/インスリン比の低下が認められました。

…GSISくらいまではついていけました。
Mossan
Mossan

 

Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
低下してしまったβ細胞機能を回復させることが期待されている画期的な薬剤ですね!
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
さらに、

マウスの研究では、すい臓のβ細胞のアポトーシスを抑えて、細胞増殖を促す働きがあることが報告されています。β細胞が守られるのです。

 

日本人2型糖尿病患者に対するイメグリミン投与(24週)により、1.0%のHbA1c低下を認めた フェーズ2b試験)

日本人2型糖尿病患者299人に対して行われたフェーズ2b試験(プラセボ対照2重盲検ランダム化比較試験)では、イメグリミン1000㎎、1500㎎投与により、0.94%、1.0%のHbA1c低下を認めました。

 

イメグリミン…
似たような名前、なかったっけ?
まる
まる
Mossan
Mossan
そういえば…
あっ!
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
メトホルミン!!

 

イメグリミンとメトホルミン、ミンミンで似てますね。

それもそのはず、2つの薬剤の構造は双子のように瓜二つなのです。

 

実は、メトホルミンもミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰをマイルドに抑制することにより効果を発揮する薬剤です。

ただし、そのメカニズムは少し異なるため、作用機序や臨床効果も少し異なります。

二卵性くらい?
Mossan
Mossan

たとえば、肝臓における糖新生の抑制効果や、骨格筋での筋取り込み亢進はメトホルミンでもみられる作用ですが、

GSISの増強や、感受性指標の改善などはメトホルミンでは認められません。

また、メトホルミンで時々問題となる乳酸アシドーシスについても、イメグリミンでは起こりにくいと考えられています。

Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
不思議ですね、面白いですね…今後楽しみですね!(ワクワク)

Efficacy and safety of imeglimin in Japanese patients with type 2 diabetes: A 24-week, randomized, double-blind, placebo-controlled, dose-ranging phase 2b trial. Dubourg J, Ueki K, Grouin JM, Fouqueray P. Diabetes Obes Metab. 2020 Dec 4. doi: 10.1111/dom.14285. Online ahead of print.

Mechanism of action of Imeglimin: A novel therapeutic agent for type 2 diabetes. Hallakou-Bozec S, Vial G, Kergoat M, Fouqueray P, Bolze S, Borel AL, Fontaine E, Moller DE.Diabetes Obes Metab. 2020 Dec 2. doi: 10.1111/dom.14277. Online ahead of print.

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