治療オプション
ME/CFSへの治療アプローチは、一般的に対症療法が中心で、不必要な検査を最小限にとどめることです。しかしながら、ME/CFSと診断名をつける以前に、この症状を引き起こす他の器質的疾患を除外する必要があります。post-acute COVID-19においては急性期の期間中に重篤な呼吸器病変があった症例に対する、外来における肺の画像検査、 併存する精神疾患へのスクリーニングやまた同時にその治療も含んでいます。
英国NICEのME/CFSのガイドラインでは現在段階運動療法と認知行動療法を推奨しています。しかしより最近のエビデンスでは段階運動療法は労作後の倦怠感が増悪するケースがあることが示されています。このようなことはpost-acute COVID-19でも報告があり、最小限の運動でさえ症状を増悪させ数日間の臥床を余儀なくさせるということでした。この理由から、数人の専門家はpost-acute COVID-19への治療における段階運動療法に注意を促しています。
プライマリケア領域における、post-acute COVID-19治療に対する最新のエキスパート意見は、保存的に症状緩和を行うアプローチに基づいていて、併存疾患に対する各専門医の治療を並行し、さらに社会的、文化的、経済的なサポートなど他分野にわたる支援を行うこととなっています。しかしながら、この状態に対するいずれの治療に対しても、その有用性を評価するためのさらなる研究が必要です。
…………………………………………………………………………………………………………………………
COVID-19 and post-infectious myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome: a narrative review. Ther Adv Infect Dis. 2021 Apr 20;8:20499361211009385. doi: 10.1177/20499361211009385. eCollection 2021 Jan-Dec