考察の続き
感染のアウトブレークに伴う精神疾患の高率な発生が重要であるかどうかもまだはっきりしていません。この関連性は感染症それ自体よりも、社会的ストレスによって引きおこされているようです。特定の精神状態によって感染症後のME/CFSの発症リスクが増加するということははっきりしていませんが、ストレスフルなライフイベント、持続的な高度の不安、コミュニティーのサポート不足のような精神的社会的な要因は発症と関係しているようです。これまでのパンデミックとなったウイルス感染症からいえることは、現在のようなCOVID-19感染症をめぐる多数のストレスフルなライフイベントはME/CFSのリスク因子になりうるということです。そしてCOVID-19をME/CFSのリスク因子と定義する際に、パンデミックという社会的ストレスと感染症それ自体によるストレスを区別することは困難といえます。
以上より、post-acute COVID-19にみられる症状のパターンはME/CFSと類似していますが、COVID-19をME/CFSのトリガーとするには長期の観察や明確に定義された診断基準を用いたさらなる研究が必要です。
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COVID-19 and post-infectious myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome: a narrative review. Ther Adv Infect Dis. 2021 Apr 20;8:20499361211009385. doi: 10.1177/20499361211009385. eCollection 2021 Jan-Dec