桂枝について2

桂枝体質とは

桂枝の証や、桂枝類方の方証が見られやすい体質の特徴として以下のものが挙げられます。

外観:痩せ気味で色白で、皮膚のきめが細かい傾向にあるります。皮膚は湿潤し、筋肉は硬く、腹部は平坦で腹壁は緊張しています。目に輝きがあり、唇は淡紅か暗です。脈象は浮大で軽く触れてもすぐに応じられます。舌質は淡紅あるいは暗淡で、特に病期の舌象は暗淡、暗紅で甚だしければ暗紫ですが、舌質は軟らかく舌面は湿潤していて、舌苔は薄白です。

症状:汗をかきやすいです。自汗・盗汗を生じたり、手足にもよく汗をかいています。寒冷、疼痛、精神的ストレスに敏感で、感冒をきたしやすいです。腹痛や動悸がみられやすいです。眠りが浅く夢をよく見ます。便秘しがちで、筋肉の攣縮や痙攣がみられやすいです。

桂枝体質の特徴

多風、多熱です。風の吹く季節には、傷風感冒にかかりやすく、鼻閉、くしゃみ、咽喉のかゆみ、咳嗽などを生じやすいため、これらの症状を「風」とまとめています。一方、温度が高いことで、夏の炎天下や火の近くにいると身体が熱くなり、汗をかき、顔が赤くなり、心拍が速くなる症状は「熱」としてまとめられます。

桂枝体質の多風・多熱は、患者が普段から汗をかきやすく、感冒にかかりやすく、様々な刺激に対する生理的反応が比較的敏感で、新陳代謝も相対的に速い、ということを示しているといえます。

参考文献:黄煌著「KAMPO十大類方」メディカルユーコン社