- 2022年9月11日
慢性疲労症候群:診断と治療のエッセンス その3
新しい診断基準では、4つの中核症状が必須 2015年に米国のNational Academy of Medicine (NAM、以前はthe Institute of Medicineと呼ばれていました) は新しい診断基準を発表しました。その新しい基準では、疲労、PEM (post-exertion […]
新しい診断基準では、4つの中核症状が必須 2015年に米国のNational Academy of Medicine (NAM、以前はthe Institute of Medicineと呼ばれていました) は新しい診断基準を発表しました。その新しい基準では、疲労、PEM (post-exertion […]
どの階層にも発症しうるが、頻度の高いグループもある 慢性疲労症候群は全米で83万6千人~250万人の患者がいるとされ、すべての年齢、民族、性別、社会経済的背景の人々に及んでいますが、いくつかの特徴はあります。女性は男性の3倍多い発症率です。10~19歳、30~39歳に発症が多くみられています。発症の […]
慢性疲労症候群は見逃されている 慢性疲労症候群は、もともと診断することがむずかしい疾患ですが、昨今のCOVID-19パンデミックにより、見逃されている症例がさらに増えている可能性があります。迅速で正確な診断と適切な治療は、慢性疲労症候群に対しても重要です。Lucinda Batemanらが、診断や治 […]
考察の続き 感染のアウトブレークに伴う精神疾患の高率な発生が重要であるかどうかもまだはっきりしていません。この関連性は感染症それ自体よりも、社会的ストレスによって引きおこされているようです。特定の精神状態によって感染症後のME/CFSの発症リスクが増加するということははっきりしていませんが、ストレス […]
考察 COVID-19感染後にME/CFSを発症するエビデンスはEBVなど他のウイルスほど明確ではありません。post-acute COVID-19症状の研究では広範囲に持続的な疲労が認められていますが、その慢性疲労をME/CFSの他の中核症状や共通の病状との関連性において評価するという、ME/CF […]
治療オプション ME/CFSへの治療アプローチは、一般的に対症療法が中心で、不必要な検査を最小限にとどめることです。しかしながら、ME/CFSと診断名をつける以前に、この症状を引き起こす他の器質的疾患を除外する必要があります。post-acute COVID-19においては急性期の期間中に重篤な呼吸 […]
COVID-19とME/CFS これまでの調査ではpost-acute COVID-19の症状持続期間を発症後3週間以上としてきましたが、いくつかの症例報告では4ヶ月以上長引く症状を報告しています。様々な慢性症状、具体的には疲労、呼吸困難、関節痛、筋肉痛、睡眠障害、集中力低下、記憶障害、咳、嗅覚障害 […]
ミトコンドリア機能と疲労 疲労はME/CFSおよび原発性ミトコンドリア障害における特徴的な症状であるがため、ミトコンドリアの機能とME/CFSとの関係を調べる膨大なリサーチを生んできました。筋組織内のミトコンドリアの構造、代謝、エネルギー産生の変化は、ME/CFSにおける疲労や労作後の倦怠感と関係あ […]
中枢神経系における合併症 いくつかのME/CFSの中核症状(認知機能障害、睡眠障害)や周辺症状(感覚過敏症状、運動器症状)は、中枢神経系(CNS)機能の変性を反映しています。ME/CFSにおける画像所見のメタ解析では、脳血流変化、脳皮質の構造異常、局所的な炎症、機能的な結合性の変化が、健常者の場合よ […]
感染症後ME/CFSの発生機序の仮説 感染症後のME/CFSは様々な病原体と関係していますが、その原因が何であれ症状は同じです。病原体が排除された後も長期間症状が残存し、測定可能な検査異常はありません。このため「ヒットエンドラン」仮説が提唱されていますが、これは感染症に暴露し、そのあとに影響を受けや […]