GLP-1・GLP1/GIP(tirzepatide)・GLP-1/グルカゴン共受容体作動薬の
HbA1c低下・体重減少効果

前回記事の続きです。GLP-1、GIP、グルカゴンの働きは似ていたり似ていなかったり…」よりお読みください。
前回記事の続きです。
3製剤の血糖改善効果・体重減少効果についてまとめられたシステマティックレビューをご紹介します。
3種類とも日本で糖尿病患者さんに使える薬剤なの?
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
現在日本で使えるのはGLP-1受容体作動薬のみですが、もうひとつは近い将来使えるようになると思います。
今回ご紹介するのは、
コクランライブラリー(Cochrane共同計画)、Medline(米国国立医学図書館:NLM)、Web of Sciences(クラリベイトアナリティクス)の3つの文献データベースから網羅的に論文を検索して行われたシステマティックレビューです。
上記のデータベースより、”高用量GLP-1受容体作動薬”、 ”GIP受容体作動薬”、 ”グルカゴン受容体作動薬”、 ぞれぞれの”共受容体作動薬”、 ”チルゼパチド(tirzepatide)” のワードで論文が検索されました。
さらにそれらの論文のなかで、2型糖尿病の患者さんが対象であり、各薬剤におけるHbA1cもしくは体重変化をアウトカムとした12週以上ランダム化比較試験(RCT)が解析対象として選択されました。
ガジガジDr.
ガジガジDr.
つまり、上記以外のアウトカムや糖尿病でない人を対象とした試験、観察試験、12週未満の試験などは除外されました。
ガジガジDr.
ガジガジDr.
最終的に解析対象となった論文は全部で27試験でした。(高用量GLP-1受容体作動薬:12試験 GLP-1/GIP共受容体作動薬:10試験 GLP-1/グルカゴン共受容体作動薬:5試験)
Systematic reviewか、楽しみだな!
まる
まる
ガジガジDr.
ガジガジDr.
そうですね!Systematic reviewは非常にEvidence levelが高い解析法ですね。私も結果が楽しみです♪
みんな横文字ばかり使って…

僕の名前だってMossanだぞ!

モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
さて、結果です♪

各薬剤におけるベースラインからのHbA1c変化(横軸)と体重変化(縦軸)がまとめられています!

この表すごいね!!
まる
まる
モッさん
モッさん
dotの数が多すぎてconfusingだわ!
ガジガジDr.
ガジガジDr.
ああ、わかりにくいということですか?
じゃあ、薬剤のクラス別に囲ってみますね。

GLP-1受容体作動薬を水色の枠、GLP-1/GIP受容体作動薬を黄色の枠、GLP-1/グルカゴン受容体作動薬を黒の枠で囲ってみたのが下図です。

Tirzepatideはかなり左下に来ているね…
Blackで囲ってあるところは、HbA1cはあまり下がらないけどBody weightは結構減る感じ?
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
そうですね!
それぞれの薬剤の特徴がよくわかるすごい表ですね!
これらの薬剤の血糖値や体重に対する効果だけでなく、心血管や肝臓や腎臓などに対する効果や副作用(吐き気などの消化器症状はかなり高率に起こります)についての研究も進められています。
ガジガジDr.
ガジガジDr.
糖尿病治療もどんどん進化していきますね!
ボクもDiabetes specialist(見習い)としてもっとstudyしていかないとね!
モッさん
モッさん
まる
まる
モッさん、横文字にはまってるw
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De Block CEM, Dirinck E,Verhaegen A, Van Gaal LF. Efficacy and safety of high-dose glucagon-like peptide-1, glucagon-like peptide-1/glucosedependent insulinotropic peptide, and glucagon-like peptide-1/glucagon receptor agonists in type 2 diabetes. Diabetes Obes Metab. 2022;24(5):788-805. doi:10.1111/dom.14640

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