SGLT2阻害薬とGFR変化、心房細動の三角関係

Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
今日はSGLT2阻害薬のお話です。モッさん、SGLT2阻害薬はなんの薬ですか?
「糖尿病ガジガジ日記」なんだから、糖尿病の薬に決まってるでしょ!
Mossan
Mossan
まる
まる
いや、心不全の薬だよ。
不整脈も減らすんだって。
不整脈?!
Mossan
Mossan

血糖値を下げるだけでなく、心不全にも有効であることが明らかになっているSGLT2阻害薬ですが、不整脈のひとつである心房細動の抑制効果についても最近期待されています

ダパグリフロジンというSGLT2阻害薬の心血管リスクについて調べられたDECLARE-TIMI 58という大規模臨床試験があるのですが、

その事後解析で、なんとダパグリフロジンを投与すると心房細動/心房粗動の発症リスクが下がったと報告されています。

さらに、2021年にpublishされたメタアナリシスにおいてもSGLT2阻害薬は心房細動を抑制したと報告されています。(Cardiovasc Diabetol 20, 100,2021).

ふーん、心房細動も減って最高だね!(心房細動ってなんだろう…?)
Mossan
Mossan
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
しかし結論は出ていないのです.

 

SGLT2阻害薬が最初に使われるようになった時に、体液量の減少(脱水)により脳梗塞などが増えるのではないか?と懸念されました。

その後行われた多くの研究や臨床データより、体液量の減少については投与のごく早期には一時的に認められるものの、その後は元に戻ると考えられています。

SGLT2阻害薬によるGFRの変化についても様々な議論がなされました。

投与早期にGFRが少し低下する場合もあるが、腎尿細管へのストレス低減により、その後はむしろGFR低下速度が緩徐になり長期的には腎保護に働くと現在は考えられています。

 

しかし、SGLT2阻害薬開始後早期にGFRが大幅に低下する患者さんが確かに存在します

Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
このような患者さんでも、心房細動や心血管イベント、心不全などに良い影響を与える?という問いに対してこのような研究がありました。

11769人の2型糖尿病患者さんを対象に行われたChang Gung Memorial Hospital(台湾)のデータベースを用いて行われた研究では、SGLT2投与後早期(4~12週間)に、GFRが30%以上低下した人では、GFRが低下しなかった人(※)と比較して、心房細動の発症リスクが2倍以上になったとのことです(Diabetes Obes Metab. 2021;1–13)。

また、心血管イベントや心不全、複合腎イベントに関してもリスクが軽度上昇したと報告されています。

※SGLT2阻害薬を投与されていない人と比較している研究ではありません。

薬を始めて、GFRが大幅に低下した人って、どんな人だったの?
Mossan
Mossan
Gajigaji Dr.
Gajigaji Dr.
そこは大切なポイントですね!
この研究によると、SGLT2阻害薬投与で早期にGFRが大幅に低下した人の特徴は、利尿薬を使用している、脳梗塞の既往がある、高齢者、女性、低BMI(やせている)などであったようです。
 SGLT2阻害薬は様々なよい効果があることがわかってきていますので、投与開始後早期にGFRが低下したからといって、一概に中止すべきとは言えないですが、少なくとも投与後早期のGFRには注意を払っておいたほうがよさそうですね。

この記事はダイジェスト版です。この記事の内容について、さらに詳しく知りたい方は、ガジガジMeetingをご覧ください。(無料会員登録が必要です)

SGLT2阻害薬とGFR変化、心房細動の三角関係

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