罹病期間と血糖コントロールの意外な関係 ~1型糖尿病は真ん中が一番難しい?~

ガジガジDr.
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皆様お久しぶりです!毎日暑いですね~

運動不足のモッさんはバテてませんか?

はあ?

運動しててもしてなくても今はみんな夏バテしてるでしょ!

先生も3月から論文読んでないんでしょ。AIくんと差をつけられちゃうYO!

モッさん
モッさん

ガジガジDr.
ガジガジDr.
いや、忙しかっ

たんだよNE~
モッさん
モッさん

モッさん久しぶり!元気そうだね!
まる
まる

まる!久しぶり! 先生がちっとも更新しないから、もう論文読みたくてうずうずしてたYO!
モッさん
モッさん

モッさん、またまた~w

先生、今日はどんな話?

まる
まる

ガジガジDr.
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今日は1型糖尿病を持つ人の罹病期間と血糖コントロールの関係を調べた論文を紹介しますね!

(なんだろう、なぜか今日は特にモッさんにイライラする…)


📘 1型糖尿病の罹病期間は血糖コントロールに影響するか?

ガジガジDr.
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では質問です。1型糖尿病を発症して10年、20年、30年くらいのなかで、どの時期の血糖コントロールが一番難しくなると思いますか?

うーん、それはやっぱり罹病期間が長くなるほど難しくなりそうな気がするね
まる
まる

そりゃ発症すぐでSHO!
モッさん
モッさん

ガジガジDr.
ガジガジDr.
私もそう思いました。

「そう思った」ってどっちに返事してるんだよ。
もしかしてボクの貴重な意見を無視した?
モッさん
モッさん

ガジガジDr.
ガジガジDr.
でもこの研究では“中間の罹病期間”が一番コントロールに苦戦しているという結果だったのです。

え!?真ん中の人たち?
罹病期間が長い人よりも悪いの?
まる
まる

ガジガジDr.
ガジガジDr.
そうなのです。しかもその差はCGMで明らかになったのです。

🧪 研究の概要

スペインにおいて702人の1型糖尿病を持つ人を対象として行われた横断研究です。

  • 対象:成人1型糖尿病患者(FreeStyle Libre 2使用者、膵島関連抗体陽性)

  • 2022年8月〜2023年9月のうちの14日間分のFGM(Flash Glucose Monitoring)データを使用
  • 罹病期間により3群に分類:

    • <16年:短期群

    • 16-28年:中間群
    • 28年以上:長期群
  • 評価項目:

    • HbA1c、TIR(Time in Range)、TAR(高血糖時間)、TBR(低血糖時間)、GV(血糖変動)などを比較


📊 結果:中間群ではTIRが低下、TBRと血糖変動が増大

ガジガジDr.
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結果です♪

中間群ではTIR(70~180mg/dLの時間)が最も短くTAR(>180mg/dLの時間)が最も長い結果でした。また血糖変動も最大でありインスリン使用量も多く、またリブレのスキャン回数は最も少ないという結果でした。

HbA1cは3群で差を認めませんでした

(ちなみに年齢とTIRの関連は認められませんでした)

🧠 中間群の血糖コントロールが悪くなる原因は?

どうして中間群では血糖コントロールが悪化したんだろう?
まる
まる
ガジガジDr.
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論文では、インスリン分泌がほぼ枯渇してインスリン必要量がピークに達すること、ライフステージ的に忙しい時期(仕事や育児など)であることで血糖管理のモチベーションが低下しやすい時期なのではと考察されていました。

ただし年齢とTIRの関連は認められなかったようです。

ガジガジDr.
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またHbA1cは3群で差を認めなかったそうです。
あくまで血糖管理の質をあらわすTIRや血糖変動で差を認めたことが興味深いですね!

 

1型糖尿病を持つ人の“中間期”は見逃されがちなケアの盲点かもしれません。“中間期”こそ油断せずもう一歩踏み込んだケアが必要かもしれませんね。

 

今日もためになる論文だったNE~(ボクの出番は少なめだったけど!)
モッさん
モッさん

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