SGLT2阻害薬は、クローズドループインスリンポンプで治療中の1型糖尿病患者の血糖値も安定化させた。

ガジガジDr.
ガジガジDr.
クローズドループのインスリンポンプのことはご存じですか?
このあいだの記事で勉強したよね。
モッさん
モッさん

クローズドループシステムとは、患者さんが装着しているCGMセンサーの血糖情報に応じて、インスリンポンプの注入速度を自動的に増減するシステムですね。

「人工すい臓」とも言われています。

従来のCSIIやSAP療法に比べて、クローズドループシステムを用いたポンプのほうが、よりよい血糖コントロールを達成できるという報告が増えています。

じゃあ、このシステムのポンプを使えば、血糖は完璧にコントロールされるね!
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
いえ、まだ完璧とは言えないのです….

クローズドループシステムであれば、血糖値は完璧にコントロールできそうですが、急激な血糖変化への対応は難しく、そのアルゴリズムにはまだ課題があるようです。

 

さて、尿糖を排泄することにより血糖値を下げる働きを持つSGLT2阻害薬は、2型糖尿病患者さんだけでなく、1型糖尿病患者さんの血糖コントロールも改善させることが分かってきています。

ガジガジDr.
ガジガジDr.
クローズドループシステムのインスリンポンプユーザーに対しても、SGLT2阻害薬を投与すればさらに血糖コントロールがよくなるのでしょうか?

フルクローズドループシステムのポンプ使用中の1型糖尿病患者にSGLT2阻害薬を投与した研究。

30人の1型糖尿病患者さん(平均BMI:23)を対象として行われたクロスオーバー研究です。

参加者は、一般に使用されているメドトロニック社のインスリンポンプ(paradigm Veo)とCGMセンサ(Enlite IIセンサ)、コントアネクスト(無線通信機)を組み合わせたクローズドシステムのインスリンポンプを用いた治療を行っています。

これらの機器をつなぐシステムとして、DreaMed Glucositterが使用されています。

参加者は、夜の19時と翌朝7時にダパグリフロジン(またはプラセボ)10㎎を内服しました。

ガジガジDr.
ガジガジDr.
主要評価項目は、内服後24時間のTIR(%)です。
TIRってなに?
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
Time in Rangeの略ですね。血糖値がちょうどいい範囲、70~180mg/dLに収まっている時間(%)のことです。

さらに、副次評価項目として、平均血糖やSD、TAR(%)、TBR(%)、ケトン体(ベータヒドロキシ酪酸)などが比較されました。

ということは、TARは血糖値が180を超えている時間で、TBRは70未満になっている時間?
モッさん
モッさん

ガジガジDr.
ガジガジDr.
そのとおりです!冴えてますね。
まあね。来月あたり先生を超えちゃうかも。
モッさん
モッさん

ガジガジDr.
ガジガジDr.
どうぞ。

ダパグリフロジン投与により、食後血糖が速やかに低下し、夜間の血糖値が安定。

下の図が、CGMセンサによるグルコース値のプロファイルです。

 

薬を飲んでいるほうが、食後の血糖が早く下がっている。帯も細くなっているね。
モッさん
モッさん

ガジガジDr.
ガジガジDr.
たしかに血糖幅が小さくなっていますね。

ダパグリフロジン投与により、低血糖時間を増加させずにTIRが増加した。

下図が、各パラメータの比較です。

ダパグリフロジン内服群では、日中のTIRが大幅に増えて、TAR(グルコース値180mg/dLを超えた時間)がかなり減っています!

それにもかかわらず、TBRは変わりません。

ガジガジDr.
ガジガジDr.
低血糖を増加させずに、適正血糖の時間が増えたのは素晴らしいですね。

ダパグリフロジン内服群でやはりケトン体は少し上昇しましたが、問題となるレベルまでは上昇しなかったようです。

インスリン注入が自動的に調整されるクローズドループシステムのポンプユーザーにおいても、SGLT2阻害薬により、さらに血糖が安定化したのは驚くべきことですね。

※ただし、1型糖尿病患者さんにSGLT2阻害薬を使用する際には、発症すれば致命的となる正常血糖ケトアシドーシスには十分に留意が必要です。

Add-on therapy with dapagliflozin under full closed loop control improves time in range in adolescents and young adults with type 1 diabetes: The DAPADream study. Biester T, Muller I, von dem Berge T, Atlas E, Nimri R, Phillip M, Battelino T, Bratina N, Dovc K, Scheerer MF, Kordonouri O, Danne T.Diabetes Obes Metab. 23:599-608, 2021

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