Tirzepatide(チルゼパチド):デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬の効果がすごい!!

Tirzepatide(チルゼパチド)はGIP受容体とGLP1受容体のデュアルアゴニスト製剤

ガジガジDr.
ガジガジDr.
Mossan、今日はすごいですよ!

どうしたの?オリンピック見てたの?
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
違いますよ!(見てたけど)

デュアルアゴニストの時代がやってきました!

ガジガジDr.
ガジガジDr.
サーパスです!
まる
まる
サーパス…。ス、ス、スパゲティ!
スパゲティ…。イ、イ、犬缶!
モッさん
モッさん
まる
まる
モッさんの負け~
ほんとだ!アハハ~
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
…(イライライライラ)

 

SURPASS Programをご存じでしょうか?

TirzepatideというGIP/GLP1共受容体作動薬の有効性と安全性を評価した臨床試験シリーズです。

GLP-1受容体作動薬なら知ってるけど…
GIP受容体作動薬ってなに?
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
そうですね。まずはGIPのお話からしましょう。(モッさんたちが真面目に聞くなら)

 

GIPの働きのひとつには、血糖依存性のインスリン分泌促進効果がある

GLP-1は、皆さんご存じのように、食事を摂ると腸管から分泌される消化管ホルモンで、腸管に流入した食物(ブドウ糖刺激)によりインスリン分泌を促す働きがあります。これをインクレチン作用といいますね。

また、胃の運動を抑制したり、脳に働き食欲を抑制する効果もありますね。

 

このため、GLP-1の作用を薬理学的に高めたGLP-1受容体作動薬が、糖尿病薬として以前から使われています。

ちなみに、GIPもGLP-1と同じように、ご飯を食べると腸管から分泌される消化管ホルモンです。

実はこのGIPもインクレチン作用を持っているのですが、実はその作用はGLP-1よりも強いのではないかと考えられています。

じゃあ、どうしてGIPは薬になっていないの?
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
糖尿病治療において「GIP」は効果がない、または悪者と考えられていたのです。

 

かつてGIPは悪者と考えられていた?

GIPが糖尿病の治療薬として期待できない、と考えられていた理由としてはこのようなものがあります。

①高血糖が持続している糖尿病患者では、GIPの血糖依存性のインスリン分泌促進効果が発揮されなくなる。(GIPが分泌されてもインスリン分泌が促されず血糖が下がらない:GIP抵抗性

GIPは脂肪蓄積の方向に働く節約ホルモンである。→GIPを増やしたら太ってしまうかもしれない

GIPはグルカゴン分泌を促進させる→グルカゴンは血糖上昇させるホルモンなので、血糖値が上がってしまうかもしれない。

だめじゃん
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
しかし、そうでもなさそうなのです

 

ガジガジDr.
ガジガジDr.
①については…

たしかに高血糖が持続している状態ではGIP抵抗性がありそうなのですが、血糖が低下してくるとGIP抵抗性は改善しインスリン分泌を促す働きが復活すると考えられています。

 

でも、②は肥満の人にとってはよくないんじゃないの?
モッさん
モッさん

GIPは「脂肪蓄積」に働くのでGIPは抑制すべき!と考えられていた時期もありましたが、

GIPを高発現させたマウスでは高脂肪食を与えても血糖値が上がりにくいだけでなく、(節約ホルモンであれば体重が増えるはずが)食欲が低下して逆に肥満しにくかったといういくつかのデータが発表されました。

これをきっかけとして、「GIPを増やすと、逆に瘦せやすくなるのでは?!」と考えられるようになり、ヒトでの研究がすすめられました。

では、どうして痩せるのか?ということについては、まだよくわかっていません。ただし、ひとつにはグルカゴンを介した作用が考えられています。

 

まる
まる
じゃあ③は?

 

ガジガジDr.
ガジガジDr.
GIPは単にグルカゴンを上げるというよりも、血糖値に応じてその分泌を調節するのではないかとも現在では考えられています。

さらにややこしい話をすると、グルカゴンが「悪者」かと言われると、一概にそうとも言えません。

グルカゴンには、食欲抑制作用や脂肪合成を抑制する作用がありますので、GIPがこのグルカゴンを上げることにより体重減少に働くのではないかとも考えられています。

 

 

なんだかややこしい…
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
まだわかっていないこともたくさんあるのでしょうね。

 

SURPASS Program(Tirzepatideの臨床試験シリーズ)

ガジガジDr.
ガジガジDr.
では、デュアルGIP/GLP1受容体アゴニストであるTirzepatideについての臨床試験をご紹介しますね。SURPASS シリーズです。
シリーズ…。どうせまたたくさんあるんでしょ。10個とか?
モッさん
モッさん
ガジガジDr.
ガジガジDr.
モッさんすごい!現時点で10の臨床試験がありますね。
おえ。
モッさん
モッさん

 

SURPASS Programは、SURPASS1~6、SURPASS CVOT、SUPASS J-mono、J-combo、AP-comboの10種類の臨床試験が終了または進行中です。

 

現在SURPASS-2までpublishされていますが、SURPASS3,5もかなりよい結果が出ているようです。

ごく最近NEJMで発表されたSURPASS-2では、なんと(HbA1c低下度ではNo.1?の)セマグルチドとの対決でしたが、主要評価項目のHbA1c、副次評価項目の体重変化(減少)ともに、Tirzepatide群がセマグルチド群を大きく上回る結果でした。

 

ガジガジDr.
ガジガジDr.
Tirzepatideへの期待が高まりますね!!

この記事はダイジェスト版です。この記事の内容について、さらに詳しく知りたい方は、ガジガジMeetingをご覧ください。(無料会員登録が必要です)

Tirzepatide:デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬の恐るべき効果

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