
最近やっと涼しくなってきましたね!


まあ論文の秋とかしょーもないこと言うんだろうけど


私はスポーツの秋です♪


ワクワク…
カグリとセマの合剤だね!


アミリン受容体作用薬であるカグリリンタイドとGLP-1受容体作動薬であるセマグルチドの合剤ですね
カグリリンタイド(Cagrilintide)とは?
カグリリンタイドは週1回皮下注射のアミリン受容体作動薬です。
肥満者に対してカグリリンタイド単剤を投与した第2相試験では26週間の投与で10㎏程度の体重減少を認めた研究を以前にご紹介しました。


分泌されると、脳の満腹中枢(主に視床下部)に作用して食欲を抑えたり、胃排出作用をゆっくりにしたりする作用があります。
アミリンは「もう食べなくていい、終わり!」って止めてくるホルモンか
確かにこのホルモンが少ないと太りそうだな


アミリンは「満腹を感じさせて」「胃の動きをゆっくりにして」「食後高血糖を抑える」というブレーキ役ですね
糖尿病の人ではこのホルモンの分泌が減っていることが報告されています
REDEFINE 2試験:2型糖尿病者を対象としたカグリセマ投与試験

REDEFINE 2試験:試験デザイン
対象:肥満・過体重(BMI≥27)を有する2型糖尿病1206人
割付:CagriSema(2.4mg+2.4mg) vs プラセボ
期間:68週間
全例で生活習慣介入も行われた主要評価項目:体重の変化率(%) 5%以上の体重減少を達成した患者の割合(%)
副次評価項目:20週時点での体重変化率、20%以上の体重減少を達成した割合
腹囲の変化、HbA1cの変化、血圧の変化、QOLの変化など
結果


しかも8割以上の人で5%以上の体重減少を認めており、ほぼすべての参加者で減量効果があったということですね(右図)
カグリセマって何の薬だっけ?
抗肥満薬?糖尿病薬?


下図はカグリセマ投与によるHbA1cとTime in rangeの変化です。
TIR(血糖値が70-180mg/dLにおさまっている時間)もカグリセマですごく増えてるね!


カグリセマ投与群では73%の人でHbA1cが6.5%以下まで下がったようです。(プラセボでは15.9%)
低血糖は増加せずTIRが増えていますので血糖の質がよくなっていますね。

カグリセマ vs チルゼパチド(SURMOUNT-2との比較)
ナンヤローとかいう強力な薬がもう使われてるよね。
それよりもすごいの?

ナンヤロじゃなくて
マンジャロw


でもモッさん、珍しくいい質問です!
肥満+2型糖尿病を持つ人に対するチルゼパチド(マンジャロ)投与試験(SURMOUNT-2試験)では、チルゼパチド10㎎投与で12.8%、15㎎投与で14.7%の体重減少を認めました。HbA1cは2.3%(チルゼパチド15㎎)低下したようです。
微妙に負けてるじゃん。

カグリセマはGLP-1とアミリンのアゴニストだから
作用メカニズムが違うよね


2つの薬剤は食欲への攻め方が違うので、それぞれの効果は人によって異なる可能性がありますね。
たとえば…


マンジャロと同様にアミリンが肥満・糖尿病治療の強力なサポーターになる日が近いかもしれませんね!



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Cagrilintide-Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity and Type 2 Diabetes. Davies MJ, Bajaj HS, Broholm C, Eliasen A, Garvey WT, le Roux CW, Lingvay I, Lyndgaard CB, Rosenstock J, Pedersen SD; REDEFINE 2 Study Group.N Engl J Med. 2025 Aug 14;393(7):648-659