ああ、僕はかしゆか派だから。
犬小屋に帰って心電図について勉強してきてください。
fQRS:断片化QRSは異常な切れ込みを有する心電図所見
断片化(フラグメント)QRSとは、QRS内に異常なノッチ(切れ込み)を有する心電図のことを指します。
たとえば心筋梗塞により心筋がダメージを受けると、心室内の脱分極(電気的興奮)がバラバラに生じ、このような波形になってしまうと考えられています。
さらに、fQRSは心筋梗塞だけでなく、その他の心筋症や心サルコイドーシスなど、その他の心筋障害でも出現することが言われているようです。
糖尿病患者さんの心不全(左室拡張障害)とfQRSについてのお話です。
特に糖尿病患者さんは、収縮機能は保たれているけど心室拡張障害がある心不全(HFpEF:へフぺフ)が多いのが特徴です。HFpEFによる心不全症状が出現する前の段階で、糖尿病患者さんの拡張障害を予測できないか?というのが今回のトピックスです。
糖尿病患者さんの心電図所見では高率にfQRSを認める
血糖コントロール目的で2017年から2021年に入院された、心不全症状のない2型糖尿病患者さんを対象として行われた後ろ向き横断研究です。
入院中に心電図、心エコー検査を受けていて、以下の除外基準を満たさない患者さんが対象となりました。
除外基準:左室駆出率(EF)<40%、1型糖尿病、膵切除後、悪性腫瘍、血液透析、緊急入院、免疫不全状態、持続性心房細動、心臓手術後1年以内 など
心エコー検査により拡張障害(DD2D)の有無を判定して、拡張障害と関連する患者さんの背景因子が調べられました。
fQRSは心電図所見から判定されました。
320人のうち、なんと38%(122人)がfQRSの基準を満たしました。
対象者のうち拡張障害と判定された患者さんは25%(82人)でしたが、拡張障害を有する患者さんでは、拡張障害がない患者さんと比較して、有意に女性が多く、年齢が高く、罹病期間が長く、複数の糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経障害)が進行していました。
fQRSを認めた人は、拡張障害(心機能障害)を有するリスクが4.4倍であった。
これらの因子(性別、年齢、罹病期間、合併症の数)を調整しても、fQRSを認めた患者さんでは有意に拡張障害が多いという結果でした(オッズ比4.37!、CI2.33-8.20、p<0.0001)。
ノッチと言えば脚ブロック(とブルガダ)くらいしか今まで頭に浮かびませんでしたが、糖尿病患者さんの心機能障害を早期発見するカギになるかもしれないのですね。
ちょっと字足らずだけどいい句ができたわ!
今日は富山大学の先生方による報告でした。大変興味深い報告でした!
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