今日も暑いですね~
ボクは暑くて食欲ないよ…
夏バテも吹っ飛ぶ
大変興味深い論文を見つけましたよ!
なんで論文で夏バテが吹っ飛ぶんだよ
今日はいつもに増して先生が暑苦しいわ…
さて、今日は膵容積により
1型糖尿病の発症が予測できる?という論文です!
1型糖尿病はどのような経過で発症しますか?
急性発症と緩徐に進行して発症するパターンがあったよね
でも多くは急性発症かな
急にのどが渇くようになったりトイレが近くなったりして病院で検査して見つかるんだよね
それですぐにインスリン治療が必要になる…
モッさんのいうとおり1型糖尿病の多くは急な経過で発症することが知られており、その進行、発症のメカニズムや予測因子について多くの研究が進められています。
1型糖尿病の家族歴がある場合や膵頭自己抗体が陽性である場合に発症リスクが高いことは知られていますが、このうち全ての人が1型糖尿病を発症するというわけではありません。
また1型糖尿病患者さんでは膵臓の容積が小さいことが以前から報告されていますが、
この研究では膵臓容積の測定が1型糖尿病の進行・発症予測に有用であるか検討されました。
本研究は1型糖尿病のステージ1または2の65人を対象とした前向きコホート試験です。
主要アウトカムはステージ3 への進行(1型糖尿病発症)であり、
6-12ヶ月毎に膵臓容積指数(PVI)とIndex60、DPTRS(Diabetes Prevention Trial–Type 1 Risk Score)が測定されました。
観察期間は最長6.9年間(中央値は進行群で18ヶ月、非進行群で7ヶ月)でした。
2015年に米国糖尿病学会、米国内分泌学会、JDRF(1型糖尿病患者・家族の支援組織)により共同で発表されました。
ステージ1は
2つ以上の膵島自己抗体(インスリン抗体、GAD抗体、IA-2抗体、ICA:膵島細胞自己抗体、ZnT8抗体)が陽性かつ正常血糖
ステージ2は
2つ以上の膵島自己抗体が陽性かつ糖代謝異常を認めるが、糖尿病の診断基準は満たさない
ステージ3は
症候性の1型糖尿病、または経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)で糖尿病型である
すなわちステージ3への進行は1型糖尿病の臨床的診断を意味し、通常はインスリン治療が必要となるポイントです。
MRIを用いて膵臓の容積を測定し 得られた膵臓容積を患者の体重で割ることで算出されました
観察期間中に11名がステージ3 に進行(=1型糖尿病を発症)しました。
ステージ3に進行した群ではエントリー(登録)時にすでにPVIが有意に小さくIndex60やDPTRSが有意に高い結果であり(下図)、時間経過とともにさらにPVIが減少し、Index60とDPTRSが増加しました。
なおPVIはIndex60やDPTRSと相関せず、PVIとDPTRSを組み合わせたモデルが最も優れた予測能を示しました(ROC AUC 0.91)。
これは代謝指標(Index60とDPTRS)よりも早いタイミングで変化が現れていたそうです!
しかもβ細胞機能の指標が悪化する前に膵臓の容積が減っていたんだね
不思議だね…
このメカニズムとしては
高血糖により膵臓がダメージを受けて減少したのではなくて
発症前から起きている免疫反応や何らかの炎症、遺伝的な要因などで減少したのではないかと考察されていました
モッさん、論文のどの部分が気になりますか?
なにかな…
メニューの予測因子は…
Longitudinal Assessment of Pancreas Volume by MRI Predicts Progression to Stage 3 Type 1 Diabetes. Diabetes Care. 2024 Mar 1;47(3):393-400