
モッさんは元気でしたか?
食欲ないし(いつも同じメニューだから)
暑くて寝苦しいし…(昼間も寝てるけど)

僕のちゅーる分けてあげようか?


大変重要な論文を見つけました!
僕の話聞いてた?!

帯状疱疹は50歳を超えると急激に発症率が増加する
帯状疱疹についてご存じの方も多いと思いますが、これはからだの皮膚に帯状に沿って強い痛みを伴う発疹や水疱が現れる病気です。
胸部から背中にかけて発疹ができる場合が多いですが、その他顔面や頚部、耳、眼、口の中、足などにも現れる場合があります。
首から上に症状が現れると失明や顔面麻痺、難聴などを引き起こすこともあり、重症の場合は入院が必要になることもあります。治癒後も2割程度の方で神経痛の後遺症に悩まされます。
この病気は、子供の時にかかる水ぼうそうと同じウィルスである水痘帯状疱疹ウイルスが原因となって発症します。
水ぼうそうが治った後もこのウィルスは体内に潜んでいますが、普段は免疫の働きによりその活動が抑えられています。ただし加齢や疲労などで免疫が低下した際にウィルスが再活性化し発症してしまいます。

一般に50歳を超えると急激に発症率が増加するため50歳以上ではワクチン接種が勧められています




ワクチン打っても効いてるかどうかわからないじゃん。

ワクチンの長期的な有効性については知りたいところだね


私もその点について一度きちんと勉強したいと思っていたのですが、
今回帯状疱疹生ワクチンの長期的な有効性について詳細に調べられた研究を見つけました!

帯状疱疹生ワクチンは接種後早期に高い有効性を示すが、時間とともに大幅に効果が減弱する
本研究は北カリフォルニアの50歳以上の150万人以上を対象としたコホート研究です。
対象者は登録後2007年から2018年まで追跡され、帯状疱疹、帯状疱疹の重症度に関連する病態(帯状疱疹後神経痛、眼性帯状疱疹、帯状疱疹による入院)に対する帯状疱疹生ワクチンの有効性が評価されました。

下図は帯状疱疹発症に対する生ワクチンの有効性の経時的推移です。



でも、帯状疱疹によるQOL低下や重症度に強く関連する
「帯状疱疹後神経痛」「眼性帯状疱疹」「帯状疱疹による入院」の予防効果についてはかなり異なる結果だったのです。


ワクチンを接種した人では帯状疱疹を発症してしまったとしても「軽く済む」可能性があるということなのですね。
高齢者に帯状疱疹生ワクチンを接種した場合、非高齢者と比べて発症予防効果が低いが重症化予防効果はむしろ高くなる
また、この研究では接種時の年齢と有効性との関連についても調べられていました。
下図のように70歳以上で接種した場合の有効性(発症予防効果)は50歳、60歳で接種した人と比べて低い結果でした。

帯状疱疹による入院についてはむしろ高齢者で高い有効性を認めました!


詳しく調べられたすばらしい研究ですね…
ワオーン(感嘆)
今は遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチンも使えるんじゃなかったっけ。
そっちのほうが良く効くんでしょ?


その遺伝子組み換えワクチンの特徴や有効性についても最近詳細なデータが発表されていましたので次回ご紹介しますね♪
ちゃんとブログ更新してよね
(僕のファンがさみしがるから)

Effectiveness of the live zoster vaccine during the 10 years following vaccination: real world cohort study using electronic health records. BMJ. 2023 Nov 8;383:e076321