減量は本当に難しいですよね。
但し、肥満や、肥満に伴うメタボリックシンドロームは、極めて恐ろしい病気を引き起こしますし、足腰にも負担をかけて痛みが生じると、ますます活動量が落ちてしまいます。
減量するには、摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを増やすしか方法はないわけですが、それが結構難しいですよね…
時間栄養学に着目した食事法でメタボリック症候群の改善を試みた研究
メタボリック症候群の患者さんを対象として、1日のうちすべての食事をとる時間を10時間に制限した。
以前より動物実験では、「食事時間の制限により生活習慣病が予防できる、あるいは改善する」という報告が多くあったようです。
今回、この研究では、メタボリック症候群を有する患者さんにおいて、食事時間を制限するとよい効果が得られるか?(減量できるか?メタボリック症候群が改善するか?)について調べられました。
対象は、1日のうちすべての食事をとる時間が14時間以上である、メタボリック症候群を有する患者さんです。35人がエントリーされ、条件を満たした25人が実際に研究に参加し、19人が完遂しました。
対象者には、1日のうちすべての食事を10時間以内に摂るという制限が12週間設けられ、開始前と12週間後の体重、腹囲、脂質データ、血圧、血糖値などが比較されました。
逆に言うと、制限されるのは食事時間だけであり、摂取カロリーについても運動量についても、なにも制限はありません。
対象者の平均年齢は59歳。スタチン(コレステロールを下げる薬)、降圧薬はそれぞれ79%、63%の人が内服していました。ほとんどの人が肥満であり、平均体重は97㎏、BMI33でした。
1日のうち食事をとる時間を10時間以内に制限すると、1日の摂取カロリーが有意に減少した。
この研究では、摂取カロリーの制限は全くないにかかわらず、食べる時間を制限すると摂取カロリーが有意に減りました。
1日のうち食事をとる時間を10時間以内に制限すると、体重や腹囲が減少し、脂質データが改善、血圧が低下した。
介入により、体重は平均3㎏減少し、メタボリック症候群に関連する腹囲や脂質データなどはすべて低下しました。
1日のうち食事をとる時間を10時間以内に制限すると、糖尿病患者では、1日の血糖プロファイルが著明に改善した。
被験者のうち、糖尿病患者さん(5人)について、持続血糖モニターで1日のグルコース値を調べると、以下のようなプロファイルになりました。
日中はあまり変わらないですが、夜間から朝の血糖が全く違いますね!
夕食から寝るまでの時間が長くなることが一因でしょうか。