グルコーススパイクよりも怖い?HbA1cスパイクについて

確かに、グルコーススパイクは動脈硬化を進行させますが…

「血糖の上がり下がりの幅が大きいと、血管によくないんですよね、、」と患者さんに聞かれることがあります。

おっしゃるとおり、日内血糖(1日のなかでの)の変動が大きいほど、血管を傷つけてしまう(動脈硬化が進行しやすい)と考えられています。

だから、食後血糖が高くなり過ぎないように抑えましょう、というわけですね。

一方、

受診のたびに見るHbA1c、あの値はどうでしょうか?

「いやー、すごく上がっちゃったね。次はどーんと下げますから!ではまた!」

といって、走り去っていく患者さん、、

こんな恐ろしい論文がありましたヨ。

受診毎のHbA1cのバラつきが大きいほど、死亡率が明らかに上昇

イギリスの報告です。

58000人というかなり多数の2型糖尿病患者さんを対象として行われた後ろ向きコホート研究です。

受診毎のHbA1cのばらつきを計算して、ばらつきの大きさと、死亡率や合併症とのあいだに関連があるか検討しています。

HbA1cを追った期間は平均4年で、その間に8回程度(最低でも4回)HbA1cが測定されており、そのばらつき(変動係数: Coefficient of variation グラフ横軸)と死亡率の関係を表したのが下のグラフです。

縦軸は、全死亡のリスク(ハザード比)ですね。

変動係数とは、標準偏差を平均値で割ったものですね。エクセルで簡単に計算できます。

HbA1cのばらつきの程度(CoV:横軸)と、全死亡率のハザード比(=リスク)(縦軸)

●の、HbA1cが低い群でも、○のHbA1cが高い群でも、変動係数(横軸の値:%)が4.71%を超えたあたりから、死亡率のリスクがもはや上がっていますね。

でも、変動係数4.71%ってどれくらい?なんだかピンときませんね。

こんな感じです。

5回のHbA1c測定結果が、6.9%、6.3%、6.6%、7.2%、7.1%の患者さんがいるとすると、平均のHbA1cは6.8%、変動係数は4.9%になります。これは、死亡リスクが上がる変動係数です!

これくらいHbA1cが変動することは結構ある気がしますね、、

実は、この報告以外にも、受診時のHbA1cのばらつきが大きいほど、細小血管合併症や癌の死亡率、全死亡率が上がるという報告はいくつかあります。

数ヶ月血液検査を受けていない間に、予想外にHbA1cが上がっていた、というご経験はないでしょうか?

定期的にHbA1cをチェックしてセルフコントロールすることが、HbA1cの変動を小さくできる最も効果的な対策です。

日内変動だけでなく、もう少し長いスパンのばらつきにも注目していく必要があるのかもしれません。

Variability in Glycated Hemoglobin and Risk of Poor Outcomes Among People With Type 2 Diabetes in a Large Primary Care Cohort Study. Critchley JA, et al. Diabetes Care. 42:2237-2246,2019

さて、今日のMossanは、、、

怒られて、隠れています。

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