◇◇ガジガジMeeting(タイトル:糖質インスリン比を正しく決定してうまく使うコツ)のダイジェスト版です。◇◇
糖質インスリン比のおさらい
その時に必要となるのが、糖質インスリン比ですね。
糖質インスリン比とは、超速効型インスリン1単位が処理できる糖質量(g)のことです。
すなわち、1単位で何グラムの炭水化物を食べられるか、ということですね。
日本人では、だいたい6~15くらいの人が多いと思います。
しかしこの計算って、結構面倒なんですよね。
インスリンポンプユーザーであればポンプが計算してくれますが、ペン型インスリンユーザーだと(e-SMBGなどのアプリを使うか)手計算しないといけません…
糖質インスリンの決め方は?
まずは、その人の糖質インスリン比を決めることから始まります。
とりあえず、標準体型の方であれば10で、肥満の人は6~8、小柄な人では15~20程度で始めることも多いですが、本来は注射した超速効型インスリン量と摂取した炭水化物量から算出します。
ただし、頑張って糖質インスリン比を決定しても、色々な状況や体の調子によって、この値はいとも簡単に変化するのです。
では、糖質インスリン比はどんな因子によって変化するのでしょうか?
糖質インスリン比が変化するとき
①そもそも、糖質インスリン比は朝・昼・夕で異なる。
一般に朝食時のボーラスインスリンは効きにくく、朝の糖質インスリン比は昼夕よりも小さい値になることがほとんどです。
1型糖尿病の患者さんでは、糖質インスリン比の朝:昼:夕の比率は、3(~3.5):5:4(~4.5)くらいのことが多いですね。
②内因性インスリン(膵臓から分泌されるインスリン)が残存している時
患者さんのすい臓からのインスリンと、注射するインスリンが合わさり血糖値を下げるので、グラムインスリン比は大きい値になります。
③1食抜いた後
1食抜いた後、次の食事のときには、いつもの1.2~2倍程度のインスリンが必要になることが多いです。
すなわち、糖質インスリン比を下げるべきということになりますね。
④月経周期
月経前2週間(高温期)前後はインスリンの効きが悪くなるため、基礎インスリンだけでなく、糖質インスリン比も変わります。
⑤体重の変化
体重が増えるとインスリンの効きが悪くなるので、糖質インスリン比は下がります。
⑥一部の糖尿病薬の開始時
SGLT2阻害薬やメトホルミンを開始した際には、糖質インスリン比が変化することがあります。
おくすりを開始してしばらくは注意が必要ですね。