CGM搭載インスリンポンプ:SAPはとうとうクローズドループの時代へ
本日はメドトロニック社のインスリンポンプであるMiniMedシリーズの進化についてご紹介します。
現在、日本で使用できる最も新しいSAP(CGMを搭載したインスリンポンプ)は「MiniMed 640G」ですね。
これは、低血糖を予測して自動的に基礎インスリン注入を自動で一時中断してくれる機能(スマートガード)を有するポンプです。
しかし、血糖値に応じてインスリン注入量を自動的に調節する機能はありません。
来年初めころ?には、このオートモード機能が追加されたポンプがやっと日本でも使えるようになりそうです。
670G/770Gで使える新機能は基礎インスリンの自動モード
670Gと770Gは基本的な性能は同じですが、770Gはスマートフォンと連携可能になっています。
670G/770Gを(最低)48時間装着すると、その患者さんの基礎インスリン注入とセンサグルコース値のデータより、最適な基礎インスリン量・パターンが作成されます。
自動モードでは、そのパターンに基づき自動で基礎インスリンが注入されセンサグルコース値に応じて調節されます。
海外のデータでは、670G/770Gを使用した患者さんの多くで、なんとTIR(血糖が70~180mg/dLに入っている時間)が70%を超えると報告されています。
さらに進化した780Gでは補正ボーラスインスリンも自動化されている!(670G/770Gとの違いについて解説)
さらに自動化が進んだADVANCED HYBRID CLOSED LOOPのシステムを搭載した780Gがあるのです。
670G/770Gと780Gにはいろいろな違いがありますが、その一部をご紹介します。
◇目標血糖値
770Gは120mg/dLの一択ですが、780Gは100mg/dLか120mg/dLから選択できるようです。
◇自動モードの種類
770Gでは高血糖(高センサグルコース)時に基礎インスリンが増量されます(補正ボーラスは行われない)が、780Gでは補正ボーラスインスリンが注入されます。
※食事時のボーラスインスリンはユーザーが入れる必要があります。
◇自動モードが切れる条件
高センサグルコースが一定の時間持続すると、安全のためマニュアルモードに戻ってしまうのですが、その条件が770Gと780Gでは少し異なります。
※ちなみに、センサグルコース値と実測血糖値の乖離が大きい時、較正を行わなかった時、センサグルコース値のデータが得られない時(通信遮断など)などの時も当然ながら自動モードからマニュアルモードに戻ってしまいます。