日本では、インスリンポンプの認知度、普及率が低いことが知られていますね。
米国でのインスリンポンプ普及率は1 型糖尿病の 30~40% まで増加していますが、日本では未だ10%未満にとどまっています…。
諸外国における、最近のインスリンポンプ事情はどうなっているのでしょうか?
この20年間のインスリンポンプ普及率の変化、年代別の使用率についてまとめられた欧州の研究結果が、最近publishされていました。
このデータが、なかなか感慨深かったので、紹介しますね。
欧州では、小児の80%、成人の40%がインスリンポンプユーザー
ドイツとオーストリアのデータベース研究(96,547人もの1型糖尿病患者さんを対象としています!)です。
上の図のAが、インスリンポンプの年代別使用率、Bが、SAP療法の年代別使用率です(縦軸は%)。
この10年間で急激に増加していますね。
10歳以下では、実に8~9割の1型糖尿病患者さんがポンプを使用しているのですね!
成人患者でも、40%程度がポンプユーザーです。
ポンプユーザーでは、血糖コントロール不良や低血糖昏睡が、この10年で減少
さらに興味深いデータは、
ポンプユーザーでは、HbA1c9%以上の患者さんの比率が低下傾向(下のA図:縦軸は%)であり、
さらに、
低血糖昏睡もかなり低下している結果でした。
(下のB図:縦軸は低血糖昏睡の回数/年)
ポンプの性能が良くなっていることと、医療者も患者もポンプをうまくつかいこなせるようになったことが関係しているのかもしれません。
ぺン型インスリン注射で、うまく血糖コントロールされている患者さんも多くいらっしゃいますが、
なかなか血糖が良くならず困っている患者さんでは、インスリンポンプを一度考えてみるのもよいと思います。
Temporal Trends and Contemporary Use of Insulin Pump Therapy and Glucose Monitoring Among Children, Adolescents, and Adults With Type 1 Diabetes Between 1995 and 2017.van den Boom L et al. Diabetes Care 42:2050–2056, 2019