その他の専門外来
Other Specialty Outpatient
その他の専門外来
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だるさや慢性的な疲労で困っているが、どこでみてもらったらよいのかわからない。
かかりつけ医に相談しても、あまり取り合ってもらえない。
ホルモンの異常など、全身の病気ではないかと心配。
慢性的なだるさや疲労があるけれども、専門的に詳しくみてもらうためにどの診療科を受診すればよいか、はとても難しい問題です。だるさの原因となる病気はきわめて多彩であり、専門診療科をいくつも受診してもよくわからない、といったケースはよく見受けられます。
当院のだるさ・疲労外来では、だるさの原因となる病気の鑑別を総合的に行います。
だるさ・疲労の頻度や重症度は図のとおり様々ですが、詳細な問診や診察、当院で施行可能な下記の検査により診断を進めます。
当院は総合内科専門医、代謝内分泌内科専門医、漢方専門医が常勤で在籍しており、各個人の症状、検査結果や体質に応じて治療を行っていきます。漢方治療は診断が確定していなくても開始することが可能です。
また生活習慣の見直しや、管理栄養士による栄養相談、理学療法士による運動療法指導なども組み合わせて、その人に応じたトータルな治療を行ってまいります。
病気の種類によっては症状が改善するまで時間がかかることもありますが、あきらめず丁寧な診察を心がけます。
「だるさ・疲労外来」
詳細な問診・診察
検査による評価・診断
だるさの原因となる病気の鑑別を総合的に行います。
総合内科専門医・代謝内分泌内科専門医・漢方内科専門医による、お一人お一人に応じた治療。
管理栄養士による栄養相談
理学療法士による運動指導
なども組合せ、その方に応じたトータル治療。
「だるさ・疲労」、あるいは「倦怠感」は発熱、疼痛とともに
生体の三大アラームの一つといわれています。
「だるさ・疲労」、あるいは「倦怠感」は発熱、疼痛とともに生体の三大アラームの一つといわれています。特に原因となる病気がない場合には、疲労は休息や睡眠により回復し、また元気に活動を行うことが可能でしょう。ところが休息や睡眠をとっても回復しない場合には原因となる病気が隠れている可能性があります。
また「だるさ・疲労」「倦怠感」は様々な病気に見られるだけではなく、日常的に誰でも経験しうる状態です。なかなか自分自身で原因がはっきりしない場合には、本人が無理を重ねて病状が悪化する、あるいは家庭や職場で理解が得られない危険性があります。
このため、「だるさ・疲労」「倦怠感」が回復しにくい、あるいは慢性的に続いている場合には原因となる病気を調べるために医学的検査が推奨されます。
原因検索のための検査手段は血液検査、生理機能検査、画像検査など多岐にわたることがあり、必要に応じて他医療機関へご紹介させていただく場合もあります。
だるさ・疲労外来では診察を通じて必要となる検査を選択し、できる限り効率的に病態を把握するよう努めます。
そして総合内科専門医、代謝内分泌専門医と漢方専門医により、その人に応じた最適な治療方法を一緒に考えていきますが、諸検査で原因となる明らかな異常所見が認められない場合には保険診療での漢方治療が中心となります。
甲状腺は首の前の喉ぼとけのすぐ下にあり、甲状腺ホルモンを分泌しています。
甲状腺ホルモンの主な働きは身体の新陳代謝を盛んにすることです。
甲状腺ホルモン不足すると「だるさ・疲労」「倦怠感」の他に無気力、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘などが起こりやすくなります。
軽度の甲状腺機能低下症では症状や所見に乏しいことも多いですが、甲状腺機能低下症が強くなると、傾眠、意識障害をきたすこともあります。
また、甲状腺ホルモンは、代謝の調節以外にも、妊娠の成立や維持、子供の成長や発達に重要なホルモンなので、月経異常や不妊や子供の発達障害などとも関係します。
甲状腺機能低下症の原因で最も多いのは橋本病です。橋本病は自己免疫疾患の一つで、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体あるいは抗サイログロブリン抗体といった甲状腺に対する自己抗体が陽性となります。
甲状腺全体が腫れやすく、首の前の甲状腺部分の不快感や圧迫感を感じることもあります。
上記のような症状の他に、徐脈、うつ状態、筋力低下、脱毛(頭髪、眉毛)、皮膚乾燥、過多月経、低体温などがみられます。
また、まれに昆布、ヨード卵、ヨウ素含有咳嗽液などヨウ素(ヨード)の摂りすぎによっても甲状腺機能低下症を認めることがあります。
副腎皮質機能低下症は、副腎皮質そのものに異常がある原発性と、下垂体や視床下部異常があり
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌が低下することにより起こる続発性に分けられます。
アジソン病の病因としては、原因不明の特発性と、感染症あるいはその他原因によるものとがあります。
特発性アジソン病は自己免疫性副腎皮質炎による副腎皮質低下症であり、しばしば他の自己免疫性内分泌異常を合併し、多腺性自己免疫症候群と呼ばれています。これには、特発性副甲状腺機能低下症、皮膚カンジダ症を合併するI型(HAM症候群)と、橋本病などを合併するⅡ型(シュミット(Schmidt)症候群)があります。
感染症に続発するものでは、結核性が有名ですが、最近では真菌性や後天性免疫不全症候群(AIDS)に合併するものが増えていると言われています。
症状は、副腎皮質ホルモンの欠落により、「だるさ・疲労」「倦怠感」の他に、脱力感、筋力低下、体重減少、低血圧などがみられる。食欲不振、悪心・嘔吐、下痢などの消化器症状、精神症状(無気力、不安、うつ)など症状は多彩です。
色素沈着は皮膚、肘や膝などの関節部、爪床、口腔内によくみられます。
長期にわたりステロイド薬の投与を受けている患者さんでは、視床下部、下垂体の機能が抑制され、副腎からのコルチゾール分泌は低下します。このような状態で、ステロイドが急激に減らされたり中止されたりすると、副腎皮質機能低下症をきたし、倦怠感などの症状が出現します。
そのほか、視床下部および下垂体領域の腫瘍や、手術後、放射線療法により、下垂体機能低下症をきたす場合があります。
また、自己免疫の異常が関連して起こるリンパ球性下垂体炎やACTH単独欠損症などの疾患や、出産後に起こる下垂体卒中(Sheehan症候群)、頭部外傷などによっても続発性副腎皮質機能低下症が起こります。
欠乏したホルモンを内服薬などで補うことにより症状が改善します。
更年期とは閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を指します。
閉経は卵巣の活動が次第に衰え、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。
月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、その1年前が閉経となります。
日本人の平均閉経年齢はおよそ50.5歳ですが、個人差も大きく40歳台前半から50歳台後半までみられます。
更年期に現れるさまざまな症状のうち、他の病気が原因ではないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」といいます。
「だるさ・疲労」「倦怠感」もみられやすい症状の1つです。
更年期障害の症状は大きく3種類に分けられます。
【血管の拡張と放熱に関係する症状】
ホットフラッシュ、のぼせ、ほてり、発汗など
【その他のさまざまな身体症状】
「だるさ・疲労」「倦怠感」の他、頭痛、めまい、肩こり、動悸、胸が締め付けられるような感じ、腰痛、関節痛、おなかの張りや便秘など消化器症状、冷え、しびれなど
【精神症状】
イライラ、睡眠障害、抑うつ状態、意欲低下、情緒不安定など
更年期障害の主な原因はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが大きくゆらぎながら低下していくことです。さらに加齢などの身体的な影響、性格などの心理的な影響、またこの時期は職場や家庭にいても人間関係の変化が大きく、これらが複雑に絡み合って発症します。
治療法は生活習慣の改善や心理療法が重要ですが、それでも改善しない症状に対して薬物療法を行います。薬物療法は漢方薬、ホルモン補充療法、向精神薬などが挙げられます。
起立性調節障害は、自律神経の障害です。
起立性調節障害は、自律神経の障害で、「だるさ・疲労」「倦怠感」の他、朝起きられない、立ちくらみ、失神、動悸、頭痛などの症状がみられます。
10~16歳頃の思春期に多くみられ不登校の原因の3~4割を占めると言われています。
約半数に遺伝的な傾向を認め、女性が男性の1.5~2倍程度多くなっています。そのうち1%を占める重症例では自律神経による循環の調節が障害され、特に上半身、脳への血流低下が引き起こされることにより日常生活が著しく損なわれ、長期間の不登校状態やひきこもりを起こし、学校生活やその後の社会復帰に大きな支障となることが明らかになっています。
症状は午前中に強く午後には軽減する傾向があります。
立ったり座ったりすると症状が強くなり、横になると軽減します。朝は調子が悪いですが夜になると元気になり、スマホやテレビを楽しむことができるようになります。しかし重症では臥位でも倦怠感が強く起き上がれないこともあります。夜に目がさえて寝られず、起床時刻が遅くなり、悪化すると昼夜逆転生活になることもあります。
精神症状を伴うことも多く、強い不安、抑うつ感、焦燥感、集中力の低下などがみられます。
原因は起立時に下半身に血液が移動することによります。
立っている時には下半身の静脈系に血液が貯留しますが、立ち上がった直後には細動脈も拡張し血圧が低下します。それを防ぐために自律神経が作動し、血管の収縮と心拍の増加が起こりますが、自律神経系の機能が不十分なことから、下半身の血管を収縮させる力が弱く、下半身に血液が貯留し、血圧が低下してしまいます。
その他運動不足、塩分や水分の摂取不足、学校や家庭でのストレスも症状に影響しています。
診断方法は、立ちくらみ、失神、気分不良、朝起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、車酔い、顔色が悪いなどのうち、3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強ければ起立性調節障害を疑います。
【血液検査】鉄欠乏性貧血、心疾患、神経疾患、内分泌疾患など原因となる病気がないことを確認します。
【新起立試験】臥位と立位でそれぞれ血圧や脈拍を測定し、4つのサブタイプに分類します。
治療は運動療法、起立時や歩行開始時の工夫、規則正しい生活リズム、下半身圧迫装具 、食事指導、薬物療法(サブタイプに応じた循環器系の内服薬、漢方薬など)を行います。
アメリカでは慢性疲労症候群、イギリスやカナダでは筋痛性脳脊髄炎と呼ばれてきており、
今日では筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と併記されるようになっています。
アメリカでは慢性疲労症候群、イギリスやカナダでは筋痛性脳脊髄炎と呼ばれてきており、今日では筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と併記されるようになっています。
この理由は慢性疲労症候群では「疲労」という言葉に重症感がなく誤解を招きやすいことと、一方で血液や髄液検査など一般に行われる検査では、脳や脊髄の炎症を示す所見がないことから「脳脊髄炎」とは言い切れないことによります。
健康な人であれば働き過ぎなどで疲れても休むと回復します。
この病気では、休息や睡眠などでも回復しない慢性的な「だるさ・疲労」「倦怠感」が6ヶ月以上持続します。
ウイルスなどの感染後の発症例や、集団発生例もあったことから病原体による感染症の可能性も考えられたこともありましたが、原因は現在のところはっきりしていません。
その病態は中枢神経や自律神経といった神経系、内分泌系、免疫系、心血管系、エネルギー代謝系など多系統です。
ポジトロンCTという特殊な画像検査法では、脳内の視床、中脳、橋などにおいて神経炎症がみられることが発見されましたが、前述のように保険診療で行われる通常の検査では診断に有用なマーカーはまだ存在しません。
我が国における診断基準は、以下の4つの所見全てを満たす場合に筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と診断することになっています。
(1)の強い倦怠感を伴う日常生活度の低下は新たに発生したもので、幼少時からの虚弱体質とは異なります。過労によるものであれば休息することで回復するはずですが、この場合には回復しません。具体的には下記の10段階の疲労・倦怠感の程度のうち3以上となります。
(2)の活動後の強い疲労・倦怠感は身体活動だけでなく精神的活動も含まれます。活動後12~48時間に何もできなくなるような疲労感に襲われます。
この疲労感は身体的な疲労感だけでなく何も考えられない、頭が回らないといった精神的な疲労感である場合もあります。
(3)の睡眠障害は、入眠障害、中途覚醒、熟眠感の障害のいずれもみとめられます。また初期には日中の過眠傾向がみられやすいとされています。
(4)の認知機能障害は、集中力の低下、考えがまとまらない、記憶力が低下した、決断力が低下した、頭にモヤがかかっているような感じがする、などと表現されます。
起立性調節障害はすでに触れていますのでご参照ください。
治療方法は漢方薬などの内服、運動療法、心療内科的療法などが挙げられます。
『PS(ピーエス)』とは、Performance Status(パフォーマンス・ステータス)の略で、
患者さんの全身状態を日常生活動作のレベルに応じて0~9の9段階であらわした指標です。
全身状態 | |
0 | 倦怠感がなく平常の社会生活ができ、制限を受けることなく行動できる。 |
---|---|
1 | 通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、疲労を感ずるときがしばしばある。 |
2 | 通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、全身倦怠感のためしばしば休息が必要である。 |
3 | 全身倦怠感のため、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。 |
4 | 全身倦怠感のため、週に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。 |
5 | 通常の社会生活や労働は困難である。軽労働は可能であるが、週のうち数日は自宅にて休息が必要である。 |
6 | 調子の良い日には軽労働は可能であるが、週のうち50%以上は自宅にて休息している。 |
7 | 身の回りのことはでき、介助も不要であるが、通常の社会生活や軽労働は不可能である。 |
8 | 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。 |
9 | 身の回の事もできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。 |
臓器不全
肺気腫、肝硬変、心不全、慢性腎不全など
慢性感染症】
AIDS、B型肝炎、C型肝炎など
膠原病・リウマチ性および慢性炎症疾患
慢性関節リウマチ、SLE、シェーグレン症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、慢性膵炎など
神経性疾患
多発性硬化症、神経筋疾患、てんかん、頭部外傷の後遺症、薬剤による神経への影響など
悪性腫瘍
血液疾患や化学療法の影響も含む
睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーなど
精神疾患
精神病性うつ病、統合失調症、双極性障害、薬物依存症など
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