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論文紹介

  • 2024年8月31日
  • 2024年8月31日

帯状疱疹生ワクチンの有効性は時間とともに低下するが後遺症や重症化予防効果は長く持続する

  帯状疱疹は50歳を超えると急激に発症率が増加する 帯状疱疹についてご存じの方も多いと思いますが、これはからだの皮膚に帯状に沿って強い痛みを伴う発疹や水疱が現れる病気です。 胸部から背中にかけて発疹ができる場合が多いですが、その他顔面や頚部、耳、眼、口の中、足などにも現れる場合があります。 首から上に症状が現れると失明や顔面麻痺、難聴などを引き起こすこともあり、重症の場合は入院が必要に […]

  • 2024年8月4日
  • 2024年8月4日

1型糖尿病の発症前から膵臓容積は減少している

  モッさんのいうとおり1型糖尿病の多くは急な経過で発症することが知られており、その進行、発症のメカニズムや予測因子について多くの研究が進められています。 1型糖尿病の家族歴がある場合や膵頭自己抗体が陽性である場合に発症リスクが高いことは知られていますが、このうち全ての人が1型糖尿病を発症するというわけではありません。 また1型糖尿病患者さんでは膵臓の容積が小さいことが以前から報告されて […]

  • 2024年7月21日
  • 2024年7月21日

eGFRdiffにより糖尿病合併症のリスクを予測できる?

eGFRdiffは様々な疾患リスクと関連する 長らく更新できずにおりましたが… 本日は 糖尿病患者さんのeGFRdiffで細小血管合併症の発症リスクが予測できる?! という論文をご紹介します。     腎機能の指標としてクレアチニンを用いたeGFR(eGFRcr)が広く用いられていますね。 しかし実はeGFRcrは腎機能以外の多くの要因の影響を受けます。 例えば筋肉量の多い人や […]

  • 2024年3月3日

月経周期と血糖値の関係

  下図は1型糖尿病者42名にCGM(持続グルコースモニター)装着を行い月経周期の各時期のTIRを収集した研究です。 TIR(Time in range):血糖値70-180 mg/dLを目標範囲内としてこの範囲にある時間 (※本研究ではインスリン注射単位数は自己調整可とされていました)         こちらは非糖尿病者49名にCGM装着行い月経 […]

  • 2024年2月18日
  • 2024年2月18日

非糖尿病者においても不規則な食事時間は血糖値を上昇させる?

  糖尿病患者さんでは、夕食の時間が遅くなると食後の血糖値が上がることは良く知られていますね。 今回、非糖尿病者における夕食時間のずれが食後血糖値に与える影響について調べられた研究がありました。 非糖尿病のボランティア16人を対象として行われた試験です。静岡大学の先生方による報告です。 被検者には3食決まった時間(7時、13時、19時)にテストミールを摂取してもらいますが 下図のように、 […]

  • 2023年5月22日
  • 2023年5月22日

GFR低値だけでなく糸球体過剰ろ過(GFR高値)も要注意!

    糖尿病腎症のごく初期より糸球体過剰ろ過が起こっている 糸球体の内圧は全身の血圧とは独立して一定に保たれており腎臓が守られているのですが、高血糖が持続することにより糸球体がダメージを受けるとその自動調節能が破綻してしまい、糸球体内圧が上がり糸球体過剰ろ過が引き起こされます。 糸球体過剰ろ過はおもに腎症1期、2期で見られる状態です。   GFRが低い人だけでなく、 […]

  • 2023年4月17日
  • 2023年4月17日

2型糖尿病のインスリン分泌能は発症後の3年間で急激に低下する

糖尿病の発症時にはすでにインスリン分泌能がかなり低下している 糖尿病の発症前より膵β細胞(インスリンを分泌している細胞)の働きは少しずつ低下し、発症時にはすでに正常の50%程度となっており、その後年間4%位のスピードで低下するのではないかと一般に考えられています。   ドラッグナイーブの2型糖尿病患者全体におけるインスリン分泌能は発症時に66%まで低下しており、その後3.8年で39%まで […]

  • 2023年3月10日
  • 2023年3月12日

週1回投与が可能なインスリンFc(LY3209590)~Fc融合タンパク質医薬品~

週1回投与が可能なInsulin Fc(LY3209590)はFc融合タンパク質医薬品 以前に週1回投与が可能なアイコデック(icodec)についての論文を紹介しましたが、今回はインスリンFcについての論文をご紹介します。 インスリンFcはアイコデックと同じく週1回投与が可能なインスリンとして開発され、現在臨床研究が進められています。         このI […]

  • 2023年1月29日
  • 2023年3月11日

新しい経口GLP-1受容体作動薬~ダヌグリプロン(PF-06882961)とオルフォルグロプリン(OWL833)~

各医薬モダリティにより投与経路、副作用、コストが異なる   医薬品はその分子量により低分子、中分子、高分子医薬品に分かれます。 昔からある医薬品は低分子の化合物が多く、だいたい分子量500前後より小さいものになります。 分子量が小さいので経口投与でき、比較的安価に大量に生成できるメリットを持つ薬品です。また小さな分子であるため細胞内にも届けることができますが、特異性は低い特徴があります。 […]

  • 2022年12月23日
  • 2022年12月25日

ステロイド薬と糖尿病

  さて、雪とは何の関係もありませんが、今日はステロイドと糖尿病に関する論文のご紹介です。 ステロイド薬を使用すると血糖値が上がりやすくなるのはよく知られていることですが、ステロイドの量や使用期間と糖尿病発症との関係についてははっきりわかっていません。     イギリスの医療データベースを用いた後ろ向きの観察研究です。 ステロイド薬を投与(内服もしくは注射)された人の […]