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論文紹介

  • 2021年8月10日
  • 2021年8月22日

COVID-19重症化を予防する糖尿病薬?!

      COVID-19感染前に内服していた糖尿病薬により予後(死亡や重症化)が変わるのか? アメリカの電子個人データベース(EHR:Electronic Health Record)を用いて行われたコホート観察研究です。   2018年1月から2021年2月にCOVID-19に感染した(=PCR検査で陽性となった)18才以上の糖尿病患者さんのうち、PC […]

  • 2021年7月29日
  • 2021年10月3日

Tirzepatide(チルゼパチド):デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬の効果がすごい!!

Tirzepatide(チルゼパチド)はGIP受容体とGLP1受容体のデュアルアゴニスト製剤   SURPASS Programをご存じでしょうか? TirzepatideというGIP/GLP1共受容体作動薬の有効性と安全性を評価した臨床試験シリーズです。   GIPの働きのひとつには、血糖依存性のインスリン分泌促進効果がある GLP-1は、皆さんご存じのように、食事を摂ると腸 […]

  • 2021年7月4日
  • 2022年6月12日

SGLT2阻害薬とGFR変化、心房細動の三角関係

血糖値を下げるだけでなく、心不全にも有効であることが明らかになっているSGLT2阻害薬ですが、不整脈のひとつである心房細動の抑制効果についても最近期待されています。 ダパグリフロジンというSGLT2阻害薬の心血管リスクについて調べられたDECLARE-TIMI 58という大規模臨床試験があるのですが、 その事後解析で、なんとダパグリフロジンを投与すると心房細動/心房粗動の発症リスクが下がったと報告 […]

  • 2021年6月20日
  • 2022年6月12日

空腹時血糖、食後血糖とHbA1cの関係

平均血糖値が30mg/dL上昇すれば、HbA1cが1%上がる。 血糖値とHbA1cの関係といえば、昔、この対応表(下図)を覚えようと頑張った遠い記憶があります…。  だいたい平均血糖値が30mg/dL上がると、HbA1cが1%上がるイメージですね。(したがって、どこか1列を覚えてその前後は30刻みと覚えるのがポイントです)  ただしリブレやCGMなどの血糖モニターをつけている方でなければ、自分の平 […]

  • 2021年5月30日
  • 2022年6月12日

GLP-1/グルカゴン共受容体作動薬の血糖低下効果について~リラグルチドとの比較試験~

グルカゴンには、血糖上昇作用のみならず食欲抑制やエネルギー消費を上げる働きがある グルカゴンが血糖上昇作用を有することや、糖尿病患者さんではグルカゴン分泌異常がみられることなどにより、糖尿病の病態においてグルカゴンは「悪」と考えられてきました。 しかし、ごく最近になり、グルカゴンは糖代謝だけでなくアミノ酸代謝に重要な働きを持つことや、他にも体の恒常性を保つために様々な働きをしていることが少しずつわ […]

  • 2021年5月16日
  • 2022年6月12日

幼小児期発症の1型糖尿病が脳容積やIQに与える影響について

幼少期の糖尿病発症、血糖コントロールと脳発達との関係について 幼小児期発症の1型糖尿病患児の脳発達について詳細に調べられた研究です。 1型糖尿病患児144人と年齢をマッチさせた糖尿病のない幼児・小児72人を対象として行われました。 試験開始時に、少なくとも1か月以上のインスリン治療を行っている4~7歳の1型糖尿病患者がリクルートされました。 てんかん、糖尿病以外の慢性疾患、精神疾患を持つ児、発達遅 […]

  • 2021年5月5日
  • 2022年6月12日

HbA1cが高いほどCOVID-19重症化リスクが上がる。

 糖尿病を持つ患者さんでは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の重症化リスクが上がることが報告されていますが、もともとの血糖コントロール状況と重症化との関係について、詳しいことはわかっていません。  血糖コントロールが悪くなると免疫能が低下することは明らかなので、重症化しやすいのは紛れもない事実だと思いますが、HbA1cが何%以上で重症化リスクがどの程度上がるのか具体的に示されたデータは […]

  • 2021年4月25日
  • 2022年6月12日

膵部分切除(PD、DP)後の糖尿病発症リスク

膵頭十二指腸切除(PD)後と、膵体尾部切除(DP)後の糖尿病発症率には差がある 膵腫瘍などに対して行われる膵部分切除術には、膵頭十二指腸切除(PD)と、膵体尾部切除(DP)があります。 切除部分が異なるPDとDPによる糖尿病発症リスクの違いと、その要因を調べた研究をご紹介します。 膵部分切除が行われる患者さん48名を対象とした研究です。(PD:20名、DP:28名)全員、手術前に糖尿病はありません […]

  • 2021年4月11日
  • 2022年6月12日

STEPシリーズ:肥満症治療薬としてのセマグルチド(GLP-1受容体作動薬)

セマグルチド(GLP-1受容体作動薬)による減量治療:STEPシリーズ 肥満患者さんに対して、減量治療薬としてのセマグルチド皮下注の効果を調べたシリーズです。 日本では、セマグルチド(オゼンピック)は、2型糖尿病患者さんに対して使用されている薬剤ですね。日本で使用できる最大量は、週に1.0㎎です。   STEP1は、非糖尿病肥満者に対してセマグルチド2.4㎎/週を投与した試験(プラセボと […]

  • 2021年3月31日
  • 2021年4月1日

スタチン服用による筋症状とノセボ効果について

「ノセボ効果」は、プラセボ効果と逆の現象をあらわす言葉 ノセボ効果(nosebo effect)は、逆偽薬効果ともいわれます。 似た言葉に「プラセボ効果」というものがあります。これは有効成分が入っていない薬剤を服用した際に、「薬を飲んでいるから効いているはず!」と思い込むことで、症状が改善する効果のことです。 「ノセボ効果」は逆に、服用した際に「薬を飲んでいるから副作用が起こるはず!」と思い込むこ […]