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論文紹介

  • 2021年5月16日
  • 2022年6月12日

幼小児期発症の1型糖尿病が脳容積やIQに与える影響について

幼少期の糖尿病発症、血糖コントロールと脳発達との関係について 幼小児期発症の1型糖尿病患児の脳発達について詳細に調べられた研究です。 1型糖尿病患児144人と年齢をマッチさせた糖尿病のない幼児・小児72人を対象として行われました。 試験開始時に、少なくとも1か月以上のインスリン治療を行っている4~7歳の1型糖尿病患者がリクルートされました。 てんかん、糖尿病以外の慢性疾患、精神疾患を持つ児、発達遅 […]

  • 2021年5月5日
  • 2022年6月12日

HbA1cが高いほどCOVID-19重症化リスクが上がる。

 糖尿病を持つ患者さんでは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の重症化リスクが上がることが報告されていますが、もともとの血糖コントロール状況と重症化との関係について、詳しいことはわかっていません。  血糖コントロールが悪くなると免疫能が低下することは明らかなので、重症化しやすいのは紛れもない事実だと思いますが、HbA1cが何%以上で重症化リスクがどの程度上がるのか具体的に示されたデータは […]

  • 2021年4月25日
  • 2022年6月12日

膵部分切除(PD、DP)後の糖尿病発症リスク

膵頭十二指腸切除(PD)後と、膵体尾部切除(DP)後の糖尿病発症率には差がある 膵腫瘍などに対して行われる膵部分切除術には、膵頭十二指腸切除(PD)と、膵体尾部切除(DP)があります。 切除部分が異なるPDとDPによる糖尿病発症リスクの違いと、その要因を調べた研究をご紹介します。 膵部分切除が行われる患者さん48名を対象とした研究です。(PD:20名、DP:28名)全員、手術前に糖尿病はありません […]

  • 2021年4月11日
  • 2022年6月12日

STEPシリーズ:肥満症治療薬としてのセマグルチド(GLP-1受容体作動薬)

セマグルチド(GLP-1受容体作動薬)による減量治療:STEPシリーズ 肥満患者さんに対して、減量治療薬としてのセマグルチド皮下注の効果を調べたシリーズです。 日本では、セマグルチド(オゼンピック)は、2型糖尿病患者さんに対して使用されている薬剤ですね。日本で使用できる最大量は、週に1.0㎎です。   STEP1は、非糖尿病肥満者に対してセマグルチド2.4㎎/週を投与した試験(プラセボと […]

  • 2021年3月31日
  • 2021年4月1日

スタチン服用による筋症状とノセボ効果について

「ノセボ効果」は、プラセボ効果と逆の現象をあらわす言葉 ノセボ効果(nosebo effect)は、逆偽薬効果ともいわれます。 似た言葉に「プラセボ効果」というものがあります。これは有効成分が入っていない薬剤を服用した際に、「薬を飲んでいるから効いているはず!」と思い込むことで、症状が改善する効果のことです。 「ノセボ効果」は逆に、服用した際に「薬を飲んでいるから副作用が起こるはず!」と思い込むこ […]

  • 2021年3月20日
  • 2021年3月31日

BMI24以下の高齢糖尿病患者さんはサルコペニアに注意?

アジアサルコペニアワーキンググループ(AWGS2019)による診断基準では、簡便な評価法が追加された 世界的には、ヨーロッパのワーキンググループ(EWGSOP)が作成したものがよく使用されているようです。 また、アジア人のデータをもとに作成された、アジアサルコペニアワーキンググループ(AWGS)による診断基準も、わが国ではよく使用されています。 2019年には、この診断基準が改訂され、地域の医療現 […]

  • 2021年2月23日
  • 2021年3月31日

糖尿病患者では、食後の中性脂肪200mg/dL以上で死亡率が上がる??

食後の中性脂肪の正常値を知っていますか? 食後の中性脂肪の値は、食事の内容や量、食後の経過時間などによって、かなりバラツキますよね。 食後の中性脂肪が400mg/dLとか、500mg/dLとかまで上がっていると、さすがに良くなさそうな感じはしますが、そもそもどれくらいまで上がるとよくないのでしょうか? 2型糖尿病患者さんにおける、食後の血糖値、および中性脂肪の値と予後(死亡率)との関係を調べた報告 […]

  • 2021年1月31日
  • 2021年5月20日

リベルサス(経口セマグルチド)による食欲や食の好みの変化を知る

GLP-1受容体作動薬であるオゼンピック(セマグルチド注射薬)による、食欲や嗜好の変化について、以前にご紹介しましたね。 もう1週間もしないうちに、セマグルチド経口薬(飲み薬)であるリベルサスが2型糖尿病患者さんに対して使用できるようになりますが、リベルサスによる食欲の変化や食の嗜好はどのように変わるのか、気になるところですね。   2型糖尿病患者にリベルサスを投与すると、食事、おやつの […]

  • 2021年1月24日
  • 2021年3月4日

SGLT2阻害薬は、クローズドループインスリンポンプで治療中の1型糖尿病患者の血糖値も安定化させた。

クローズドループシステムとは、患者さんが装着しているCGMセンサーの血糖情報に応じて、インスリンポンプの注入速度を自動的に増減するシステムですね。 「人工すい臓」とも言われています。 従来のCSIIやSAP療法に比べて、クローズドループシステムを用いたポンプのほうが、よりよい血糖コントロールを達成できるという報告が増えています。 クローズドループシステムであれば、血糖値は完璧にコントロールできそう […]

  • 2021年1月15日
  • 2021年3月4日

Glucose effectiveness~血糖が血糖を下げる?!

  さて、血糖が血糖を下げるとは、どういうことでしょうか? ブドウ糖の一部は、インスリン非依存性に消費される Mossanが言う通り、インスリンの働きにより血糖値が制御されることは広く知られていますが、糖のすべてがインスリン作用により組織に取り込まれ、消費されるわけではありません。 例えば、脳や赤血球、腎臓などの組織には、ブドウ糖はインスリン非依存性に取り込まれ、消費されます。 すでに100年近く […]