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論文紹介

  • 2022年5月8日

GLP-1・GLP1/GIP(tirzepatide)・GLP-1/グルカゴン共受容体作動薬の
HbA1c低下・体重減少効果

前回記事の続きです。「GLP-1、GIP、グルカゴンの働きは似ていたり似ていなかったり…」よりお読みください。 前回記事の続きです。 3製剤の血糖改善効果・体重減少効果についてまとめられたシステマティックレビューをご紹介します。 今回ご紹介するのは、 コクランライブラリー(Cochrane共同計画)、Medline(米国国立医学図書館:NLM)、Web of Sciences(クラリベイトアナリテ […]

  • 2022年3月31日
  • 2022年4月5日

2型糖尿病の発症前からβ細胞機能(インスリン分泌能)は徐々に低下している

  2型糖尿病の発症前からインスリン分泌能は徐々に低下している さて、ご存じの通り2型糖尿病の発症にはβ細胞機能(インスリンを分泌する力)が深くかかわっています。 このβ細胞機能が低下すると糖尿病になってしまうわけですが、実は糖尿病の発症前からインスリン分泌は徐々に低下していることがわかっています。     ガジガジDrの言うとおり、β細胞の自然史を詳細に知ることは非 […]

  • 2022年3月4日
  • 2022年3月6日

GFRが低下している糖尿病患者においてもSGLT2阻害薬の貧血抑制効果あり

  糖尿病患者さんの5人に1人が貧血を合併している さて、モッさんの血の気はいつも多そうですが、今日は貧血のお話です。 糖尿病患者さんでは貧血が多いことが知られています。 貧血を起こす原因に鉄欠乏や腎臓病などがありますが、同じ貯蔵鉄の濃度、同じ腎機能の糖尿病と非糖尿病の人を比べると、糖尿病の人のほうが2~3倍も貧血が多いことが報告されています。   アルブミン尿排泄がない(腎症 […]

  • 2022年2月23日
  • 2022年2月23日

fQRSで糖尿病患者さんの心機能障害(拡張障害)を予測できる?

fQRS:断片化QRSは異常な切れ込みを有する心電図所見 断片化(フラグメント)QRSとは、QRS内に異常なノッチ(切れ込み)を有する心電図のことを指します。 たとえば心筋梗塞により心筋がダメージを受けると、心室内の脱分極(電気的興奮)がバラバラに生じ、このような波形になってしまうと考えられています。 さらに、fQRSは心筋梗塞だけでなく、その他の心筋症や心サルコイドーシスなど、その他の心筋障害で […]

  • 2021年12月31日
  • 2021年12月31日

減量治療薬として期待が高まる週1回投与のアミリンアナログcagrilintide

アミリンはインスリンとともに膵β細胞から分泌されるペプチドホルモンでああり、食欲抑制に働く。 アミリンは、ものを食べた時にインスリンとともに膵臓のβ細胞から分泌されるペプチドホルモンです。 アミリンは、消化管運動を抑制して血糖値を調節したり、グルカゴンを抑制する働きを持っています。 さらに、アミリン受容体は、背側迷走神経複合核群(孤束核、最後野、迷走神経背側運動核)に存在しており、アミリンはGLP […]

  • 2021年11月21日
  • 2021年11月21日

睡眠の質が悪いと血糖変動が大きくなる

睡眠の質と血糖値、血糖変動との関係は? 悪夢は睡眠の質を低下させますよね… ところで「悪夢を見ると血糖値が上がる」と言われますが、 今日は「睡眠の質」と「血糖値」との関連についての報告をご紹介します。   よく眠れなかった日の翌朝は血圧が高い、というのは比較的よく知られた事実ですが、睡眠の質と血糖値や血糖変動は関連があるのでしょうか?   睡眠の質が悪いと夜間の血糖変動が増大す […]

  • 2021年11月21日
  • 2021年11月21日

人種別の糖尿病発症のリスクとBMIの関係

アジア人は、白人と比較して糖尿病になりやすいことが知られていますね。 BMIと2型糖尿病発症率の関係を、人種別に調べた報告をご紹介します。 下図では、 BMI30の白人が2型糖尿病を発症する率は、BMI26.9の中国人と同じであり、なんとBMI23.9の南アジア人とも同じだということが示されています。(年齢、性別で補正後のデータです。)   アジア人では、少しの体重増加で糖尿病になる可能 […]

  • 2021年10月21日
  • 2021年10月21日

血糖コントロール不良の糖尿病では新型コロナワクチンに対する免疫反応が低下する?

コロナウィルス感染による重症化の一因として、免疫細胞の減少が推測されている。 新型コロナウィルス感染により重症化するメカニズムのひとつとして、免疫細胞の減少が言われています。   さらに、糖尿病患者さんではB型肝炎ワクチンなど一部のワクチンに対する免疫応答が弱い可能性が指摘されています。     HbA1c>7%の糖尿病者では、非糖尿病者やHbA1c<7%の糖尿 […]

  • 2021年9月20日

2型糖尿病では膵β細胞数の減少がβ細胞量や血糖コントロールに強く影響する

  糖尿病患者では膵β細胞量が減少している さて、糖尿病患者さんではインスリン分泌細胞である膵β細胞量が減少していることが知られています。     糖尿病を持つ人は、非糖尿病者と比較してβ細胞数がかなり減少していたが、β細胞のサイズ縮小は軽度であった。 β細胞量が減るというのはどういうことでしょうか? 今日は、慶応義塾大学の先生らにより行われた研究をご紹介します。 糖 […]

  • 2021年8月15日
  • 2021年8月22日

糖尿病神経障害とビリルビン値の意外な関係

糖尿病神経障害を調べる方法のひとつとして神経伝導検査がある。 糖尿病神経障害の検査法のひとつに神経伝導検査があります。 これは、末梢神経の伝導速度(神経が刺激を伝える速さ)、振幅(神経束の量)を実際に測定して、神経がダメージを受けているか直接調べてしまおう!という検査です。 詳しく調べるためには、手と足を走っている神経から2神経程度選んで、ひとつずつ調べていくのが確実ですが、検査に結構な時間がかか […]